連日、全日本卓球選手権が東京都体育館で開催されております。29日と30日(最終日)は有観客で行われますが、新型コロナはやはりこの大会にも影を落とし、29日は女子ダブルスで期待された平野美宇選手と男子の大島裕哉選手が発熱、陽性で棄権。結局ダブルスの準決勝が2試合成立しませんでした。残念ですが、早く元気になって復帰してほしいです。
今回のトピックスは、女子シングルスのベスト8、木原美宇選手と佐藤瞳選手の凄い逆転劇(佐藤選手が3--0でリード、4セット目もジュースでマッチポイントを握るも、これを凌いだ木原選手がそこから何と4ゲームを連取して大逆転した試合)にするか、女子ダブルスの決勝戦、”みまひな”こと伊藤、早田選手の現役NO.1ペア 対 実業団昨年後期優勝の中国電力ペア 宋・成本選手の対決のどちらにしようかと迷ったのですが、後者にしました。結果は、みまひなが、3-1で中国電力ペアを破り優勝しましたが、この2人の強さは誰もが認めるところ(ほっといてもメディアで盛んに取り上げますが、笑い)、私は敢えてこの中国電力ペアの良さに注目しました。
宋恵佳選手は、中ペンの裏面打ちで台上処理のうまさは天下一品、そして成本綾海選手はサウスポー、バック表のオールラウンダー型でかつての福岡春菜選手を思わせるような王子サーブも時折見せてくれます。そしてこの二人のダブルスコンビネーションが本当に素晴らしく、ちょっと他にはいないペアリングではないでしょうか(宋さんのタイプがそもそも女子の上位では珍しい)。実業団の試合でもこのダブルスはまず負けません。まさに中国電力の原動力になっています。注目のこの決勝戦でも存分に持ち味を出してくれました、序盤からみまひなを振り回し、宋選手の見事な台上フリックレシーブがノータッチで決まり、成本選手が王子サーブ&バック表の変化にコートカバリングの広さで簡単に得点を許しません。まさにみまひなもタジタジの場面が多くありました。第1セット10-6リードから力で勝る”みまひな”に逆転を許してしまいましたが、第2セットを取り、第3セットもジュースまでもつれ、結局これを落として押し切られたものの、土俵際まで現役NO.1ペアを追い詰めたと言えるのではないでしょうか。もし第1,第3セットをものにできていれば優勝でしたね。それでも優勝に値する試合ぶりでした。派手さはなくても真に素晴らしいペアだと改めて感じました。
日本の女子ダブルスは他にもカスミウ(石川、平野選手)、ダブルミユウ(長﨑、木原選手)等、世界トップクラスのペアがいますが、私は「もっとも上手いダブルスは?」と聞かれれば、この中国電力のペアだと答えるでしょう。
そして、宋さん、最高の舞台で最高の(優勝は逃したけれど)フィナーレでしたね。試合後の笑顔とても素敵でしたよ。(宋さんは、これで引退とのことです)
一つ訂正です。中国電力は昨年実業団の年間総合優勝ですね。
みなさん素晴らしい試合でした。感動しました。