今年の桜が丁度見頃です。
国内の試合は一息ついている感がありますが、只今ドーハ大会等の国際大会が行われていますね。
ところで、「ミスターカットマン」というと、松下浩二さんを連想する人も多いかと思いますが、その一時代前に高島規郎さんという近大出身の本家がおられました。現在Tリーグの解説をされていますが、大変わかりやすくまた戦術的でとても面白いです。実は少し前に彼の著書、「卓球戦術ノート」「続・卓球戦術ノート」(卓球王国発行)を読みましたが、現代卓球に必要な戦型別の戦術等が満載で、大変参考になりました。
その中でこれは具体的な戦術等の話ではないのですが、興味深かったのが、日本人は元来生真面目で行儀の良さが美徳とされている人種で、それ故、例えば日常の基本練習におけるフォアやバックハンドのラリーの際、ミスが出たときにすぐにミスのボールをとって、一からラリーをし直すという行為を当たり前のようにするのであるが、中国や欧州の選手等はミスしたりしてもそのボールが程よく台上でまだバウンドしていたり、相手方のボールがオーバーミスしてフロアにバウンドしたりした際、ラケットでボール弄ぶように扱って相手コートに返し、そのままラリーを続ける、というのですね。つまりこれはお行儀が決して悪いわけではなく、普段からラケットでボールを扱う感覚を養うといった点や、横入れなどの頭の柔軟性につながるということを指摘していました。つまり日本人のミス→すぐリセットするという癖は、現代卓球ではかなりと無駄な行為ではないかということです(特に一定年齢以上のシニアの方にこの傾向が強いと思います)。この点は私も同感で、例えば私はカットマンなので、カット打ち練習の際に、相手がドライブをオーバーミスすると、返せるときはフロアに第一バウンドしたボールをそのままカットして相手コートに入れるということをしています。なのでそれをまたリセットされると「何故、ラリーを続けないのだろう」と思うことがよくあるのですね。
最近の日本人のトップ選手のランダム練習を動画等でみていると、ミスが出ても取れるボールはやはりそのままコート内に戻し、ラリーを続けるようにしていているように思います。
あくまでこれは一例にすぎませんが、我々のレベルの練習方法等も、今まで当たり前だと思っていたことが実はもうズレていたりすることもあるので、常に効果的な練習方法をもっと模索し、新しい方法を取り入れても良いのかなと思いました。