卓球🏓が、同じラケット競技であるテニスやバドミントンと異なる点は、ダブルス方式の他に、もう一つは色々な戦型がある点ですね。
厳密にはテニス等もネットプレーヤーとベースラインプレーヤーとがありますが、卓球は、ドライブ、前陣速攻、カット主戦といった戦型に加えてラケットやラバーの種類の分、さらにタイプが細かく分かれます。またその時代毎の主流というものがあり、その変遷もなかなかに面白いものです。
一昔前は21点制、サーブも5本交替で、ラバーも表裏同じ色でOKでした。
このおかげで、この時代のカットマンは「アンチスピン」というラバーを裏面に貼り、盛んに反転して相手のミスを誘うという戦法が主流でした。それが現在のルールに変わり、アンチスピンラバーは用をなさなくなって廃れ、粒高(昔はイボ高と言った)や表ソフトが主流になりました。また目眩しが出来なくなった分カットマンも攻撃を一定割合取り入れないと勝てなくなったわけですね。🤔私はカットマンなので、カットの変遷にどうしても目がいくのですが、あの水谷隼氏にして、今日、男子はもはや”絶滅危惧種”と表現していました。🥲
一方で女子は、佐藤瞳、橋本帆乃香の一流のカット両選手をはじめまだまだ健闘しています。これは何故かと言うと、女子は男子程パワーがないことやツッツキが試合で多く使われることから、カットマンからするとラリーを引きやすいと言う点が言えるかと思います。それでも、先日の卓球ジャパンTVでゲストの佐藤瞳選手は、「今のトップクラスの選手でカット打ちが苦手という人は殆どいないので、より攻撃に磨きをかけなくてはならない」ということを語っていました。まさに現代はカットマン受難の時代と言えるわけですが、我々のレベルではどちらかというと一発型よりラリー志向型の方が試合では良績で、それ故にカットマンもまだまだ通用するわけですね。
男子のトップクラスでは確かに村松、御内、英田の3選手以外にはなかなか日本では目にしないカットマンですが、ではこのまま本当に絶滅するのかと言うと、かのミスターカットマンの異名を持つ高島規郎氏や、松下浩二氏は、カットマンが少なくなると、攻撃マンはその分カットマンを相手にする機会が少なくなるので、カット打ちの練習量が減り感覚が薄れてくる、そうするとまたカットマンが台頭してくることになる、と絶滅説をキッパリと否定しています。また今年の女子の世界代表にカットマンの佐藤瞳選手が入ったことで、卓球ジャパンTV🏓の解説平野早矢香さんは、「団体のメンバーに佐藤選手が一人入ることで、相手チームの攻撃マンは、団体戦の試合の中で打球感覚を狂わされることになり、チームとしての大きなアドバンテージになる」と解説していました。確かにこれは成程と思いました。🤔
(そう言えば私等は決して上手いカットマンではないですが、練習をしていると、隣のチームの人の視線をネット越しに感じることがよくあります。見ていてやはり面白いのでしょうね。😌ちょっと優越感というか変な気分です、笑。)
ところで現代は進化型というかより工夫をしていかないといけないので、英田選手のように8割攻撃の2割カットというタイプや、ホウインチョウやギオニスのようなカーブロング多用型等、同じカットマンでもよく見ると色々なタイプがいます。またドライブマンも試合展開の中で、所謂しのぎのボールにカットを使うこともあります。
大分以前にトーナメントの途中までカット主戦で戦い、途中からドライブマンに戻して(本来ドライブマン)戦っている器用な選手を見たことがありますが、そのうち、大谷バリの"リアル二刀流"ではないですが、1セット毎に戦型をチェンジするような選手が出てくると面白いな、とか最近思ったりしています。🤔