いよいよ明日、今年の全日本卓球男女シングルスの優勝者が決まります。
観る方は毎年早いですが、1年に1度のこの大会、試合する方は1年間の思いがありその心中如何ばかりかと察するに余りあるものがあります。😌
今日はダブルスの優勝ペアが決まりましたが、男女ともまさにダブルスの醍醐味を感じさせるような見応えのある試合を繰り広げてくれました。
女子は、早田/伊藤ペアが貫禄勝ちの連続優勝🏆でしたが、それにしても、準優勝は2年連続で中国電力ペアでした。特に今年は宋さんの引退で成本/井の新生ペアでした(成本さんは昨年も決勝進出)が、見事に決勝まで進出しました。何とセミファイナルで、Tリーグでお馴染みの芝田/大藤を大逆転で破ってのファイナル進出でした。
NHKBSでは当然のように早田/伊藤VS.佐藤/橋本の世界代表対決を放送しましたし、失礼ながらベスト4の中では知名度でも一番地味な感じのするペアでしたが、本当に素晴らしい闘いぶりで、改めて伝統的にダブルス巧者がいて、団体戦に強い中国電力の底力を感じました。ダブルス巧者のサウスポー成本さん、早田選手に勝るとも劣らない手足の長さを活かす井さん、まさに今大会のいぶし銀のようなペアでした。
男子も、セミファイナル、ファイナルと見応えのある試合で、森薗/張本ペアが優勝しました。張本選手はミックスと合わせての優勝🥇でしたが、準優勝の松島選手は身体も一年間で大きくなり、他のメンバーとも遜色がなく卓球もとても力強くなっていました。もしかすると近い将来、今日の相手の張本選手とのペアでかの強豪中国に挑んでいるかもしれないと、思わず予感させる活躍ぶりでした。
と、ここまで全日本の感想ばかりで、タイトルとまるで内容がマッチしていません(笑)。ここからようやくタイトルの話です。
今年のTリーグで、かつてのミスターカットマンと言われた、かの高島規郎氏が解説をしていた試合のことでした(残念ながら対戦を覚えておらずA選手とB選手とします)。両者共に競った展開で試合が進み、確かあるゲームのスコアが6-2か6-3位でA選手がリードしていた時のこと、高島氏が実況アナにポツリと言いました。
「卓球の試合で、昔から8-4というスコアの時が一つの鬼門でしてね」「それはどういうことですか?」「いや、負けている方が往々にして追いつくんですよ」
すると試合が本当に8-4のスコアになりました👀「高島さん、その8-4ですね」とアナ。その後、何と負けていたB選手が劣勢を挽回して追いつき、デュースへもつれ込んで逆転で勝ちました。「えー、本当にそうなりましたね。なんなんですか、これは」とびっくりした様子のアナ。「いや、統計データとか科学的な根拠があるわけではないんですよ。勿論実力がほぼ同じ場合に限っての、単に古くからの経験則なんですがね。でも本当にそうなりましたよね」と苦笑いの高島氏。
そして今日の男子のダブルスのセミファイナル、森薗/張本vs.田添/大島 戦は本当に一進一退の素晴らしい試合でした。4人共ダブルスは全日本で優勝経験のある実力伯仲の巧者同士の争いでした。
そして2セットオールで迎えた5ゲーム目、田添/大島が先に抜け出し、良いプレイの連続で8-4になりました。「さあ、田添/大島ペアいよいよ決勝進出が見えて来ました!」と思わず実況アナ。しかしこの時、私はあの高島氏の話を思い出していました。「いや、このままでは終わらない」と。試合は森薗/張本があっという間に追いつきデュースへ、そして先にマッチポイントを握られながらこれを凌ぎ、逆転で勝利しました。最後はエッジボールでしたからほんの少しの運の差でした。そして決勝も競った試合をものにして見事に優勝🏆しました。
それ、たまたまでしょと言われるかもしれませんが、でもちょっと不思議な話ですね。🤔
よく考えてみたのですが、恐らく試合が中盤から後半に差し掛かり、このダブルスコアの時に、勝ってる方はそれまで無心で戦っていたのに「お、勝てそうだぞ、何とかこのまま、大事に行こう」等と思う。負けている方は「あーあ、けどまだ負けたわけじゃない、いや負けてもともと、思い切って悔いのないように積極的に行こう」と丁度両者の気持ちがそれまでと入れ替わるタイミングなのではないかと思うのですね。
また8点というのは、後3点で勝てる、しかしまだ後3点取らなければ勝てない、という微妙なタイミングなのだということではないでしょうか。(統計的には恐らくリードしている方が有利なのは間違いないとは思いますが)
高島氏の話は、それだけ卓球🏓はメンタルのスポーツ、そして諦めなければ勝負は下駄を履くまでわからないということを言いたかったんだと思います。あの東京五輪のミックスダブルスで水谷/伊藤ペアがクォーターファイナルでドイツペアを2-9という絶望的なスコアを大逆転した試合は今でも記憶に新しいですよね。
卓球🏓って奥が深いスポーツですね🤔(ば)