Tリーグも5シーズン目に入り、女子は今年6チームに増えて凌ぎを削りました。
本シーズンはこの2月25日、26日の土日決戦ですべて終了し、ファイナル進出は、シーズン優勝の1位 木下アビエル、2位 名古屋トップおとめ(初)、3位は最終戦で日本生命(4年連続優勝)に決まりました。
本当のクライマックスはこれからになりますが、本シーズンの終局でこの最終決戦の2日間を迎える前に2位を確保していた日本ペイントがまさかの2連敗で4位に転落しファイナル進出を逃しました。今回はここでこの結果を少し考察して見たいと思います。
この最終の2日間を迎える前まで、2位の日ペは総合38ポイント(最終戦直前は39ポイント)3位の名古屋と4位の日生は36ポイントでした。名古屋は初日に京都に3-1で勝って39ポイントとし、この時点で2位、すでにシーズン優勝を決めている最終日の対戦相手の木下は最終戦をやや消化試合的なオーダーで臨むと見られ、この時点で名古屋の2位確定は濃厚になりました。問題は日ペVS.日生の最終戦で日ぺとの直接対決のみを残す日生は圧倒的勝利でないと望みはうすく、戦前ではファイナル進出は一番厳しいという見方でした。
ところが、日ぺは、あろうことかこの2連戦を結果として何も落とし、それも最後は日本生命との直接対決を1-3で敗れた結果で、総合ポイントで日生と同ポイントで並ばれ、わずか1マッチの得失の差でファイナル進出を逃すという最悪の結果となりました。これには監督、選手とも悔やみきれない結末ではなかったのでしょうか。
これは勝負毎なので仕方のないことで、誰が勝っていたらというのは所詮タラレバですが、まず日ペのこの最終2 連戦の結果を見てみると次のとおりです
(25日)
日本ペイントマレッツ 2-3 九州アスティーダ WIN
芝田 沙季/大藤 沙月 ◯ 2 - 0 塩見 真希/首藤 成美
佐藤 瞳 ◯ 3 - 1 野村 萌
橋本 帆乃香 × 0 - 3 牛嶋 星羅
芝田 沙季 × 0 - 3 加藤 美優
横井 咲桜 × 0 - 1 加藤 美優
(26日)
日本ペイントマレッツ 1-3 日生レッドエルフ WIN
芝田 沙季/大藤 沙月 × 1 - 2 赤江 夏星/早田 ひな
横井 咲桜 × 0 - 3 早田 ひな
岡田 琴菜 × 0 - 3 伊藤 美誠
大藤 沙月 ◯ 3 - 0 森 さくら
ちなみにTリーグでは、各試合のポイントが以下の通りとなっています。
☆:4-0の勝利(勝点4)、○:勝利(勝点3)、▲:延長負け(勝点1)、✕:敗戦(勝点0)
つまりは、この結果で総合ポイントは39ポイントで日生と並び、得失マッチ差がわずか1マッチ差(日生7、日ぺ6)の紙一重で日生が大逆転3位になりました。
それ程、この2日前までは日ぺが優位に立っていたことになります。つまり仮に日生に2-3で負けても3位は日ペだったわけです。
昨日2-0でリードしながら、橋本選手が牛嶋選手とのカットマン対決を促進ルールで落とし、既に5位確定の無欲の九州が後半にエース加藤美優選手をおくという布陣にハマり逆転で負け、そして今日は何としても負けられないという日生の必勝布陣(早田、伊藤の両エースを配してきた)に完敗したことで、このような結果となったのですね。
シーズン途中は個々の選手が本当に魅せる卓球をしてくれていただけに悔しさひとしおだと思います。
私は、前々回の記事に載せた対木下戦との天王山の試合にカットマンの主力を使わず、何となく不可解に思っていたのですが、実はこの裏にはTリーグの複雑なルールがありました。もちろんそれが全てというわけではないのですが、このファイナル進出に向けては、次のようなルールが存在していたのです。
【ファイナル出場資格】
ファイナルに出場できる選手は、レギュラーシーズンの8チームマッチ以上出場していること。出場したチームマッチ数を基準としており、例えば、1チームマッチでダブルスとシングルスの2つに出場したとしてもカウントは1となります。
つまり、平たくいうと日本ペイントは、これまでのシーズン起用について、芝田、大藤、佐藤瞳、橋本に主力を置きすぎていた為に、この8チームマッチルールに足りている選手が少なくなってしまい、この終盤の勝負所で若い岡田選手を出さざるを得なくなったという見方ですね。(もちろん岡田選手が悪いと言っているのではなくあくまで経験値という意味で)
私は昨日今日の結果はあくまで流れなので、個々の選手は責められないと思いますが、やはりこの前の木下戦の0-4が何と言っても痛かったと思っています!逆に日生は、早田、伊藤の両エースをシーズン途中の遠征等で使えない間に森、赤江選手をはじめとして他の選手をふんだんに活用していた(また期待に応えていた)とも言えるわけで、多分に運もあったとはいえ、五輪メダリスト監督で、5シーズン目になる村上監督の選手起用の老獪さが、今シーズン初監督である日ぺの大嶋監督を上回ったという見方もできると思います。
厳しいことを言えば、この結果は全て監督の責任、お膝元のミキハウスの4選手に頼りすぎた、と言われても仕方ないかもしれません(まさか途中までこのルールを知らなかったということはないと思いますが)。五輪ポイント争いや色々な試合との兼ね合いで個々の選手をシーズンフルに使えない事情は充分に分かりますが、それはどこも同じで、時には厳しくチーム事情を優先することも必要かと。
事実、伊藤美誠選手を全日本で破りベスト4に入った横井咲桜選手は、シーズン後半になって思い出したように使われ、この最終局面で全く良いところがありませんでした。もしこうした起用法に不満があるなら来季は別のところに行った方が良いかもしれません。🤔極論を言えば、お金をとっているプロスポーツ(プロ野球やサッカーJリーグ等)では、選手にこんな悔しい負け方をさせる監督は引責辞任すべきだと言われるかもしれませんね!🤬
いずれにしても日本ペイントは、この悔しさを来シーズンに是非ぶつけてもらいたいですし、ファイナル進出の3チームは是非面白い試合を期待しています!
ところで、Tリーグの今後の発展のために言わせてもらえると、昨年のセミファイナルの1ゲームアドバンテージは是非やめて欲しいです(もし、またあるなら見ないかも!)。
もう一つ、こうした地域性のある団体競技は、できれば毎年、"昨日の友は今日の敵"のごとく、コロコロ選手の契約を変えないでほしいです(昨年ミキハウスの4選手を抱えていた九州の川面監督も複雑だったことでしょう)。そうしないとチーム愛や地元のチームファンが増えないのでは🤔と危惧します。
またTリーグ主催側、アナウンサー、解説陣も我々視聴者にもう少し分かりやすくルールを解説し、今後PRしてほしいところですね。😌(ば)
(参考記事)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c332c6a96dcde82408b80196904b78f29d9fd013